「…やべぇ、雨だ」


そう言って大地は私から離れると、「優雨も帰ろう」と言って立ち上がった。


「…折り畳み傘あるから、いい…」


「……」


私は、今すぐに立ち上がることができなかった。


「…濡れたら風邪ひくから、ちゃんと帰れよ…」


「ごめんね…」


「…え?」


「私、昔っから雨女だから…、私のせいで、雨降っちゃったのかもね…」


「……」




…こういうところが、いけないんだ。


そう、ちゃんとわかってるのに。




そんな私に、大地は深くため息をつくと、そっけなく言った。


「…そうかもな」




気まずい空気の中、そう言い残して、大地は先に自転車にまたがり、公園を出ていった…。




一人残った私は、シトシトと降り始めた雨と一緒に、泣いていた。