さようなら、藤娘。


またいつか、あなたを踊れる日が来るかもしれないけれど。


それでもやっぱり、ひと時のお別れは寂しいね。


小さい頃から、たくさんの踊りを習って、舞台で発表してきたけれど、


やっぱりこの感覚は、いつまでたっても慣れないや…。




僕はほんの少しでも、理想のあなたに近付けていたかな。


舞台で舞った僕の藤娘は、今頃、どこにいるのかな。


…わかってる、ちゃんと、この胸の中にいるんだよね、これからもずっと、永遠に…。




人気者のあなたは、今日もどこかのお稽古場で、舞台の上で…、その美しい音色を響かせていることでしょう。


でも、どうか忘れないで。


僕が、あなたを踊ったことを。


あなたに恋した、僕のことを…。




…次に、進まなくちゃ。