陽ちゃんと別れて、僕は家に着いた。


玄関を開けると、いつものように、奥の方から耳に心地よい三味線の音が漏れてくる。


それを聞きながら、僕は二階の自分の部屋へと向かった。


ベッドの上に腰を下ろしてひと息つく。


そして、制服を脱ぎ始めた。




姿見の前でゆっくりと着替えをし、肩にかかる髪を後ろで一つに結んだ。




…やがて、稽古着の浴衣姿になった僕は、道具を手にし、三味線の音のする一階の部屋へと向かった。