…そんな清風のお母さんの踊りが終わり、次は最後から二番目の演目となった。
それは、陽太郎がはしゃぎながら話していた、次期家元になる清風の従姉妹…、風嶺さんという人の出番であった。
…永作先生の情報によると、清風がこの寿々喜流名物の女形なら、この風嶺さんは、一部に根強いファンを持つ、まるで宝塚の超人気男役者のような存在なのだそうだ…。
…そんな、俺が初めて見る風嶺さんの踊りがいよいよ始まった。
幕の上がった舞台には、一隻のボートのような、小さな舟。
演目名は、『常磐津 夕月船頭(ときわづ ゆうづきせんどう)』とあった。
