すると鈴木クンは、ニッコリと笑って言った。
「…僕も、そうだよ」
「え…、ホントに…?」
「うん。…想像の中でしか、追いかけられないものを追いかけて、答えのない答えを探して…。終わらない道を、ただひたすら走って、走って…、そうやって、思い焦がれてるんだ。その、どうしようもない気持ちのやり場がなくて、胸が締め付けられそうになるくらい、苦しくて、だけども、それと同じくらいに、愛おしくて…」
風になびいて顔に張り付く髪を、細く長い、きれいな指ですくい上げながら、鈴木クンは言った。
「……ッ!!」
「…田中くん?どうしたの…?」
オレはなんだか、言葉にならない気持ちがグッと込み上げてきて…、自転車のハンドルを握る拳が更に硬くなるのを感じた。
「…鈴木クン…、ありがとう…!!」
そんなオレの喜ぶ顔に、少し驚いた顔をしていたけど、鈴木クンはすぐにまた笑顔に戻って、やさしくオレに微笑みかけてくれた。
オレは、自分の生きるこの世界で、初めて「友達」が出来たような気がした…。
