…授業中、いつも真面目にノートを書いている、後ろ姿の清風。


友達になる前、怯えたような目で俺を見つめていた清風。


つい邪険に扱ってしまって、弱々しい表情を浮かべていた清風。


やさしくて、謝ってばっかりで…、頼りなげにひっそりと咲いている一輪の花のように…、どこか見ていて危なっかしくて、つい手を差し伸べてやりたくなるような…、そんな清風が…、


今…、何百人もの観客の前で、たった一人、注目されて、ありったけの輝きを解き放ちながら、踊っている。




俺は、完全に、心を奪われていた。


その姿があまりにも眩しすぎて、その眩しさに、頭の中がボーッとして…、もう、一つ一つの細かい動作など、ほとんど記憶に刻むことができなかった。