大地くんの天気予報



《♪…はな~を~ あら~わ~す~ まつ~の~ふじ~な~み~……》



…その時、唄声の余韻を残し、一際明るい三味線のメロディーが紡ぎ出された瞬間……、


真っ暗だったホールの中で、正面の舞台だけが、バッ!と一気に照らされた。




「……ッ!!」




声にならない声が、ポカンと開いた口の中で固まってしまっていた。


…突然照らし出されたその舞台には、天井からも、背景の大きな松の木の上からも、たくさんの大きな藤の花たちが咲き乱れており…、そしてその中央には、色鮮やかな藤模様の衣装を身にまとい、黒塗りの笠をかぶって、藤の花の枝をかついだ美しい女性がたたずんでいた…。


…その瞬間、場内からは波のように大きな拍手と、「イヨッ!風花~ッ!!」「待ってましたァ!!」などという大歓声までもが飛んだ。