「…チョット、こんなにスゴいんじゃあ、キヨちゃんなんて、どんだけスゴくなっちゃうワケ…ッ!?」
激しく興奮しながら、陽太郎くんが言った。
…清風くんの、女形の舞…。
どんなに美しいだろうか…。
私も、なんだか心臓がバクバクしてきた…。
清風くんの出演時刻まではまだまだだと思っていたけれど、今終わった一つの演目時間が長かったこともあり、なんともうこの次が、清風くんの出番であった…。
いったん下りた幕の向こう側から、舞台をセットする音が小さく漏れてくる。
…『長唄 藤娘』(ながうた ふじむすめ)…、清風くんの舞う藤娘は、いったいどんなふうだろう…。
