《♪…あか~ぬ~ なが~め~の~ かわ~ゆ~ら~し~……》
バッ…!と、花道の入り口で幕の開く音がし、そこからなんとも豪勢できらびやかな衣装と鬘を身に付けた、輝かしい姿の女の子が登場した。
その瞬間、客席からは大きな拍手が鳴り響いた。
「…わぁ、…すごいッ!!」
私は、小さく声を上げた。
傘をさし、手習草紙と書かれた帳面を片手にぶら下げた女の子は、花道を歩き、舞台の方へと進んでいった。
まだ中学生ぐらいの子だろうか…、けれどもきっと、清風くんみたいに小さい頃から習っているのだろう、踊りのことなどわからない私から見ても、それはすごく上手に思えた。
