大地くんの天気予報



それにうなずきながら、今度は私に向かって言う永作先生。


「あ、それに高橋さん!衣装とか、舞台背景の絵とか、きっといい刺激になると思うから、よく見とくといいわよ~!」


瞬間的に美術部顧問の顔になった永作先生に、部員である私もうなずいた。


「はい!…私も、そういうのがすごく楽しみで…!」




…テレビの中でしか見たことがないような歌舞伎の世界から、この目の前に実際に飛び出してくる本物の衣装や道具…、それらを直接、間近で見られることも、私にとって大きな楽しみの一つであった。


これから始まるそれぞれの舞台、いったい、どんなふうだろう…。




ドキドキと胸が高鳴る中、いよいよ次の演目を告げるアナウンスが流れた。


プログラムに目をやると、次の演目は『長唄 手習子』(ながうた てならいこ)とあった。


演じる人の名前を見ると、ここからはすべて「寿々喜」の名前を持つ人たち…、お名取さんか、それ以上の人たちであることがわかった。