オレは鈴木クンと一緒に、自転車を押しながら歩いて帰った。
「ねぇ、鈴木クンは、どこから転校してきたの?」
「うん、この前までは、九州にいたんだ」
「へ~!…九州出身なの?」
「ううん。元々、地元はこっち、東京なんだ」
「え、じゃあ、何で?」
「…うちの事情でね、小さい頃から転校はしょっちゅうだったんだ。九州の前にも、いろんなところにいたし…」
「…へぇ、そうなんだ。お父さんの、仕事の関係?」
「ううん、そうじゃないんだけど…」
…そんなことを話していると、鈴木クンはある家の庭先に目を向けて、「あ…」と言った。
「…ん?鈴木クン、どうしたの?」
鈴木クンはその家の方に近付くと、そこにたくさん咲き乱れている藤の花を見上げた。
オレもそれに続く。
