「…ねぇ、風嶺さん」
「ん~?」
「風嶺さんは、どうしてそんなに、男の人みたいな格好してるの…?」
僕は、風嶺さんを見つめながら聞いてみた。
「う~ん…。単純に、好きだからかな、こういう格好が」
「…ふ~ん」
「…もちろん、父さんみたいな力強い舞踊家になって、立派な跡取りになりたいっていう思いもあるよ。…周りからは、女のクセに、って…、冷たい目で見られることもある」
「…そう、なの?…」
「うん…。でもね、アタシはさぁ、男も女も無いと思ってる。…アタシの場合、風花とは反対に、全然女の子らしくなかったし、もともと背もデカいし、男友達とばっかり遊んでた。…男になりたかったってわけじゃないけど、女らしくいられない自分ってのも、すごくイヤでさ。…だからアタシは、男も女も、両方持ってる人間でありたい。…なぁんて、贅沢か…!」
そう言って、風嶺さんはアハハと笑った。
そしてまた、少し真面目な表情を浮かべながら、話し続けた…。
