…その日の夜。
あれから、夕食もお風呂も済ませた僕は、パジャマに着替え、自分の部屋の鏡の前で、乾かした髪を櫛で梳かしていた。
…肩にかかる髪を、何気なくひとつまみして眺めてみる。
「…あ、枝毛…」
…そんなことをポツリとつぶやきながら…、こんな仕草も、自分にとってはごく自然のことであることに、僕は他人事のように心で笑った。
やがて、電気を消してベッドにもぐり込むと…、部屋のドアが、コンコン、とノックされた。
…僕が返事をするより前に、ガチャッとドアが開き、勝手にドア横の電気のスイッチが押されると…、そこには、パジャマ姿の風嶺さんがいた。
