「…そうだよ、女じゃないだろ。…なのにお前、どうしてそんなに女らしいわけ…?」
…冷静に問いかけてくる大ちゃんの質問に、僕はどう答えたらいいのか、すぐには言葉が出てこなかった。
「…えっと、そうだね…、何でだろう。…これが自然だと思って、育ったからかな…」
「…女らしく育ったからか、女形の才能があるからなのか…、たぶん、どっちもなんだろうけど…、でもそれゆえにお前は、そうやって普段から無意識のうちにも、周りの期待に応えようとしてんじゃね?」
「え…?」
両手を頭の後ろで組んで、大きくベンチにのけ反りながら、大ちゃんは言った。
「…俺にはわかんねぇなぁ。…誰かのためとか、人の期待に応えるために自分を犠牲にするなんて…、俺なら絶対にゴメンだよ」
