「…ん?どしたの、キヨちゃん…?」


「……?」


ダイチも、そんなキヨちゃんを見る。


オレは、キヨちゃんの目線の先を追うようにして、後ろを振り向いた。




…あの人、誰?


それは、少し派手目な格好をした、今どき風の若い女の人だった。


その人は、通りがかりに立ち止まった様子でこちらを見ていたが、やがてそのまま腕組みをし、ゆっくりと、公園の中に足を踏み入れてきた…。


コツ、コツ、と…、少しずつ近付いてくるヒールの音と、どこかうっすら、意地悪そうな笑みを浮かべたような口元…。




キレイな、人だった。


でも、どこかトゲのあるような人…。


例えて言うなら…、そう、まるで、薔薇の花のような人だった…。