「わかってないなぁ~、佐藤は…!捨てていい思い出と、捨てちゃいけない思い出とがあるの!」
「捨てていい思い出と、捨てちゃいけない思い出…?」
その言葉に、私は永作先生に聞き返した。
「そ!…ものを捨てようとする時に、何でも取っておこうとするから片付かないんだ!って言うじゃない?…でも、捨てなきゃいけないとは思ってても、なかなか捨てられない時…、そういう時って、どうやってその判断を下せばいいか、知ってる?」
私も大地も、わからない、というように、首を傾げた。
「…その思い出の“もの”、あるいは“こと”が、今の自分を幸せな気持ちにしてくれるかどうか、それで判断すればいいのよ」
「幸せな気持ちに…?」
「そう。逆に、それを見ると悲しい気持ちになったり、イヤなことを思い出しちゃったりするようなものなら、捨てた方がいい。…ようは、自分の気持ちに素直になって、取っておきたいと思えるものは、大切に取っておいたっていいのよ。だって、一度捨てたら、もう二度と戻ってこないんだよ…?」
「……」
