「風嶺さんの男舞、本当に素晴らしいと思います。…けど、家元の踊りとは、やっぱりまだちょっと違う。なんだか、独自のクセがあるみたいですね…」 「…近付こうと、努力はしてるよ。でもそう簡単に、家元みたいになれるわけがないだろう…?」 「えぇ、それはそうですけど…、本当に、それだけですかねぇ…?」 「あ…?」 緊迫した空気が、この部屋中に張り詰めていた。 僕には、絢姉さんの言わんとすることがわからなかった。