「…い、いやぁ、実は…」
絢姉さんのものすごい剣幕にたじたじになっていたエイサクさんが、少し大きめのキャンバスの絵を後ろに携えながら言った。
「…数日前に、アヤちゃんが、絵のモデルになってくれるって言ってきたんだよ…」
「絵のモデル…?」
風嶺さんが聞くと、エイサクさんはうんうんとうなずきながら続けた…。
「…ただね、そのモデルっていうのが、ヌードモデルのことで…」
「ヌードモデル…?」
「や、もちろん、それを希望してきたのはアヤちゃんの方だよ!…それに、俺ら絵を描く人間からすれば、ヌードなんて見慣れたもんだし、立派な芸術だよ。なにもそんな…、いやらしい目で見ることなんて、俺は絶対にないからね…!?」
まずはそのことについて必死に語るエイサクさんに、風嶺さんは言った。
「それはわかってるよ。エイサクさんがそんな人じゃないことぐらい、みんなちゃんとわかってる。…それで?」
風嶺さんに先を促され、エイサクさんは一呼吸置いてから、また話し出した…。
