背が高く、金髪で、サングラスをかけた白いジャージ姿。
両手をポケットに突っ込んで、その人は公園に足を踏み入れると、少しずつ小走りになってこちらに近付いてきた。
だんだんと、その口元がヘラリと笑っているのがわかった。
耳には、いくつものピアスがキラリと光っている。
「あ…」
僕が思わず声を出すと、隣にいた陽ちゃんが慌てた様子で立ち上がり、僕の前に立ちはだかってその人を睨み付けた。
絡まれると思った陽ちゃんは、自分自身もビクビクしながら、大きな声で言った。
「…な、何なんですか、アナタは…!!」
そんな陽ちゃんの姿を見て、一瞬ポカンとしていたその人は、やがて高らかに声を上げて笑い出した…。
「ちょッ…!なぁに勘違いしてんのッ?アッハッハッハッ!!」
「……エ?」
陽ちゃんは、その姿にただただ驚いていた…。
それもそのはず。
まるで不良の男の人みたいに見えるその人の笑い声は、明らかに女の人の声だったのだから…。