「結希…これ…」 あたしが紘毅に見せた上半身は。 無数の“傷”だらけー…。 「背中だけじゃないの。全身にある」 傷の話は今はまだ…出来ない。 いつか必ず話すから。 だから今はまだ…聞かないで? 「結希…」 「ごめんね、紘毅。キモチワルイよね。こんな体。やっぱりあたし、出ていくね。あたしがいたら、彼女も作れないよね。それにあたし、生徒だもんね。リスクが大きすぎるよ。ホント、最初から最後まで、迷惑かけてばかりでゴメンね」 そう言ってあたしは、 服を着ようと、服を拾った。