「ねぇ、咲夜(サクヤ)くん。あたしね、来月・・・アメリカに行くんだ。」


突然聞かされた言葉。
転校とか親の転勤なんかじゃない。
『留学』


その時はまだなんで俺だけに伝えたのかなんて気付かなかった。



「そ、そうなんだ・・・。なんで?」

俺は戸惑いながらも訪ねた。
そして、
朱里(アカリ)は恥ずかしそうに口を開いた。

「あたしね、パティシエになりたいの。昔から夢だったんだ」


その時の嬉しそうな顔。
行くななんて言えねぇよ・・・・。