「おめぇら~ぁ!景気付けといこうじゃねぇか~!」

ダミ声でマスターがジョッキを掲げると、四重奏のおっちゃんたちも曲を弾きやんで、酒場の連中の視線はマスターに降り注いだ。

「いってきやがれ~ぇ!愛娘ども~っ!!!!!!!」

ジョッキを掲げた手で涙を隠しながら、店が崩れ沿うなくらい大きな声でマスターが叫んだ。マスターの声が鳴り止むと同時に、四重奏のおっちゃんたちは踊り弾き始める。

「二人の旅立ちに!!」
「アーシェとサラに!」

次々とジョッキが掲げられては音を立ててビールを躍らせた。


あたしも高くグラスを掲げると、サラがぐすっと鼻をすすった。