その日の夜、カウンターに大金を積み込んで、あたしはかっこよく
「お宅の歌姫さんをかっさらってくぜ」
なんてきめ台詞を吐いて、サラの自由を買い取った。

「サラ姫ぇぇっ!!アーシェ嬢に幸せにしてもらいなぁぁぁっ!!」

酒場は、あたしとサラに釘付けで、我も我もと祝杯が上がった。酒場のマスターは金をせしめた癖に、ガラにもなくサラを抱きしめて涙を浮かべていた。

「今日は宴だよ!」

ウエイターの娘達が踊りながらジョッキを配る。

ステージには、四重奏のおっちゃんたちが楽しそうに立ち上がって曲を弾いてくれた。