上品な顔立ちには、似合わないその印。

「脱獄か……それなら幾分ましだったな」
「詮索したいわけじゃないさ。気になるなら、今なら多少薄くなるようにはできるけど」

そういうと、レイヴは苦笑いを浮かべながら首を横に振った。
「戒めの印だ。消すつもりはないよ」
「なら、ちょっとみせてごらん。そんなところにあっちゃぁ、隠しようもない。サラ、胸元にうつしてあげな」

コクリと頷いて、サラはレイヴに近づくとその首筋に息を吹きかけた。
「……っ!」
レイヴが小さく唸ると、沸々とその焼き印が湧き上がる。

「これからもうちょっと痛いよ。我慢しな」
あたしは横目でそれを見ながら、手当ての用意を整えた。