図太い声でジョッキをグラスにおくと、中の泡が溢れてテーブルに飛び散った。
ジョッキの横に置かれたグラスはサラの分。
酒ではなくサラの好きなフルーツを絞り合わせ特製ドリンクだ。

「わぁぃ」
いいながらサラがグラスを手にとる。

「よし、じゃぁ一発景気づけといくか!」
ガハガハと笑いながら、その手にあると小さくみえるジョッキを掲げて、マスターの声が響き渡る。

「アーシェの良き日に乾杯っ!!」
高く掲げたジョッキから、泡と中身のビールがカウンターに降り注いだ。

「おおっ!!!アーシェ嬢に!!!!!」
「アーシェェ!おめでとう~!」

ウエイターの娘達まで、トレイの酒を掲げて口をつけた。