「さすがに解りますよね? 俺が、どんな意味で、 先生にこういう事するのか」 数歩離れた位置に、 俺の反応を待ちながら立っている。 まっすぐなその目に、 若いってすごいな、とか そんな事がかすかに浮かんできたけれど、 それよりも、なによりも。 この異常なまでの気恥ずかしさは何なんだ。 答えない俺の顔を見て、 益田は笑いながら言った。 「返事は明日でいいですから、 じゃあ、お先に失礼しますね」 そうして教室を出て行った。