「……そうですか?」 本当に?いいんですか?と、 益田はやたらと念押しをしてきた。 「ああ、大丈夫だ」 だからさっさと行きなさい。 そう言おうとしたのに、 俺の口から飛び出たのは、 言葉にならない、ただの空気だけだった。 ――理由。 奴が突然に俺のケツを触ってきたからだ。 それも、撫でるじゃ収まりきらない。 五指は自由に動き、 掌は押し付けるように。 つまりはなんだ、揉んできた。 「おまっ、益田!ふざけんなよ!」 数秒後、我に返った俺は、 すぐさま彼を怒鳴りつけた。