ピロリーンとか、そんな軽い音。 ……今のはもしかしなくとも、 携帯のシャッター音じゃないのか? 続けて聞こえたのは、 嬉々とした、益田の弾んだ声。 「よっしゃ、今晩のおかずゲット!」 ……おかず? 不審な俺の視線に気づいたのか、 彼は、はっとしてこちらを見て、 「あ、あといいですから、外しますね」 そう言ってハサミを片手に持ち、 もう一方の手は俺の手首に添えられた。