思わず、俺は目を閉じた。 ……そのまま数秒。 何も起こらないままなので、 恐る恐る目を開けると、 目の前には変わらず、益田の顔。 顔、が、やたらと赤くなっていて、 唇がわなわなと震えていた。 そして俺の視線に気が付いたのか、 手は離され、顔も離れていく。 ……気分でも悪くなったか? そう思って声をかけようとした瞬間、 奴は再び叫んだ。 「先生のキス顔ゲットー!!」 「……は?!」