運転席にいる父さんと
助手席にいる母さんには、
緊張しているなんて、ばれたら恥ずかしい。

だから僕は、あえて
涼しい顔をして、
気を紛らわすために、
ウォークマンで、音楽を聞いていた。

いかにも、
「どうせ学校なんて一緒だよ」と
態度で表す。

バックミラーで僕を見た父さんは言った。

「緊張してないように見える奴に
限って、凄く緊張してるんだよなっ。
ま、お前はそうじゃなさそうけど?」と。

きっと、わかってるのだろう。
僕がものすごく緊張してるんだって。

なんか、急に安心した気分。
太陽の光が眩しくて、
クーラーの風が気持ちよくて、

いつしか僕は眠ってた。