心はいつも、貴方とともに

どうしたものか。



自分ごときに何かができるとは思わない。



しかし、心配事を一時忘れさせることは出来る気がした。



今日も冴えない表情で、アミリアはベンチに腰かけている。



サラサラと音を立てて流れる噴水を眺めているようで、実はその目は何も映してはいないのだ。



それに気づくくらいに、ジークは彼女を観察していた。



少し離れた場所に立って警護をしながら、なんとか彼女を喜ばせることはできないのだろうかと考える。



いつも空を飛ぶ鳥を見ては、花を見ては微笑んでいた彼女を…。



ん、ちょっと待てよ。



そうだ、花だ!



ジークは頭の中に立ち込めていた霧が晴れた気がした。



許してくれよ、花そして庭師。



するりと腰から短剣を引き抜き、心の中で詫びてから咲いていた花を切った。



名前は知らない。



薄くピンクに色づいた、小ぶりの花。



ジークは一輪の花をそうっと指で挟み、アミリアに近づいた。



「姫。」



照れもあって、いつも以上に深くこうべを垂れた。



「これを。」



もじもじと花を手渡す。