敗北宣言から丸三日、ジークはアミリアの姿を見ていない。



結局あの日飛び出して行ってから、口をきいていなかった。



どうしてあの時自分はすべてを投げ出してしまったのだろう。



愛しているのに。



そうと言えなかった。



気にしやしないと、言えなかった。



どれだけ彼女は傷ついたのだろう。



愛しているのに。



傷つけたくは、なかったのに。



裏へと向かう途中、アミリアとランバートの秘密の畑が見えた。



誰も世話をする人間がいなくなったため、作物は黒く枯れている。



あぁ、昔は楽しかったのに。



あんなに平和だったのに。



ミア…。



はしゃぎながら作物の世話をするアミリアが浮かんだ。



ミア、君の兄との思い出の畑はもうなくなってしまったよ。



きっと彼女がみたら悲しむだろう。



世話が叶わなくなったときですらあれだけ嘆いていたのに。



涙がこぼれそうになって、ジークは慌てて裏へ駆けこんだ。



そこで涙が決壊する。