アミリアは突進するようにして、ランバートに抱きついた。



不意打ちにも関わらず、ランバートも力強くアミリアを受け止める。



「おかえりなさい…!」


「ただいま。」



懐かしい声。



アミリアは力の限り、ランバートを抱きしめた。



「よくご無事で。」


「だから、大丈夫だと何度も言ったのに。」


「どこにそんな保障があるんですか。」


「俺はランバートだぞ。」


「だからなんですか。」



こほん、とダニエルの空咳が二人を振り向かせた。



二人揃って怪訝な目を向けると、ダニエルは言いづらそうに微笑んだ。



「みなの前ですぞ。」



やれやれ、とランバートはアミリアを離す。



「戻るぞ。」



疲れたように、ランバートが一歩踏み出す。



「お兄様!」



アミリアは慌てて兄を呼び止めた。



その意図がわかったようで、ランバートは厳しい顔で頷いた。



「来い。」


「はい。」