あれから一週間が経つが、あれからずっとアミリアに会っていない。



まだ整理がつかないでいた。



彼女はこの扉一枚を隔てた向こうにいるのに、扉を開ける勇気が出ない。



裏切られた、と思った。



自分だけじゃない。



国民はみな、アミリア姫の奇蹟を信じている。



なのに、その神話じみた話の裏側で起こっていたのは、殺人だ。



受け入れろというほうが難しい。



…でも、ミアが悪いわけじゃないとわかってはいるんだ。



自分を殺してくれと懇願していたアミリアが浮かぶ。



あれは、そういうことだったのだ。



部屋に入って、大丈夫だ愛していると抱きしめてやりたい。



でも、どういう顔をして会えばいいのかわからない。



ジークは怨めしく、背後の扉を睨んだ。



と、ファンファーレが吹き鳴らされる。



ジークははっと顔を上げた。



中から小さな足音が走ってくる。



まさか、と思ったらそのまさかだった。



バァーンと扉を蹴り飛ばすように押し開け、アミリアが飛び出してきた。