嫌われてしまった。



軽蔑されてしまった。



もう、終わりだ。



嗚咽がこらえきれない。



もう、彼は私から離れていく。



人殺しだ、仕方ない。



つらかった。



ジークは何も言わなかった。



いっそ、罵られたほうがましだった。



何も、言ってもらえなかった。



これからは空気のように扱われるだけだ。



マリアは入ってこない。



きっと気を利かせてくれているのだろう。



しかし、今はマリアが恋しくてたまらない。



大丈夫ですよ、と慰めてほしかった。



もう、嫌だ。



私だって、好きでこんなことをしているわけではないのに。



ただの“アミリア”として、生まれてきたかった。



何の変哲もない村娘でよかったのに。



愛した人を騙さないで済むのなら、どんな生まれでもよかったのに。



結局、ジークもマリアも、帰ってこなかった。