自分の悲鳴が、部屋中に木霊した。



がばっと起き上がると、たらりと汗が滴り落ちる。



壁際のベッドで一緒に寝ていたマリアが一瞬遅れて飛び起き、這うようにしてやってきた。



「アミリア様!!!」



もがくように手足をばたつかせ、マリアはアミリアの顔を包み込む。



「どうかされましたか?」



怪我でもしたのかと、マリアはあちこちを探る。



されるがままになりながら、その間にアミリアは頭を冷やした。



「………大丈夫よ、マリア。
ちょっと悪い夢をみただけ。」


「…アリソン様の、夢ですか。」



ゆっくりと腰を落ちつけながら、マリアは呟いた。



はぁ、とため息が聞こえてくる。



「もう、お忘れください。」



それができることなら、とっくにそうしている。



それより心配なのは、ジークのことだ。



「ねぇ、マリア。
さっき、夢にジークも出てきたの。」


「まぁ。
それは…。」


「ううん、幸せな夢じゃなかった。
アリソンのことが、知られてしまったの。」



あの目。



現実でもあんな悲しそうな目をするんだろうか。