『アミリア姫は、不死身だ!』



次の日の朝、国王は国民を集め、声高にそう言った。



城のバルコニーから見えた国民たちはみな、アミリアに注目していた。



目を見張っているもの、顔を顰めている者、笑っているもの、馬鹿にした顔をしているもの…。



さまざまだった。



が、大半の国民は王の言うことを信じたらしい。



もともと、その美しさや性格から「天使」と揶揄されてきたアミリアだ。



その日から神の御子として崇め奉られ、誰もアミリアを軽く扱おうとはしなかった。



神の逆鱗に触れるようなことは、できるはずがない。



こうして、アミリアは妹の死と引き換えに、国民から愛される立場を手に入れたのだ。



素直には喜べない。



しばらくアミリアは部屋の外に出られなかったし、今でもふっと思い出す。



あの子は、幸せだったんだろうか。



私を恨んではいないのだろうか。



答えは、一生出そうにはない。