そっか、そっか・・・・・・と呟いて、私はそのまま玄関に向かう。 ケーキの材料を買いに行くためだ。 この流れで行くのが一番安全――じゃなくて、自然だろうし。 秋の甘えタイムに突入すると外出できなくなるから。 「じゃあ私、ちょっと―――」 ジャラッ 聞き覚えのある音が耳元を掠め、視線を足元に落とす。 この場にあっちゃいけない音。でも、聞いたことがある音。 ―――私の嫌な予感は的中した。