神坂レイはしばらく黙り込み、落ち着かない様子で立っていた。
が、そこに椅子があることに気付くと、「…し、失礼します」と言いながら腰を下ろした。
どこまでも律儀な性格である。
そんな彼女の手が何かを持っていることに気が付く。
「…それなに?」
どうやら袋のようで、それを指さしながら尋ねると、神坂レイはハッとしたように顔を上げた。
「こっ!……これは、その、いろいろお世話になったお礼にと思って、持ってきたのだけれど……」
「マジっすか!なに!?え、なに!?」
「い、言っておくけれど!これは、君が期待しているような大層なものではなくて!」
「神坂さんからもらえるなら雑草でも幸せです!!」
「……君はいつどこでも君なようね」
「歪みなくウマシカです本当にありがとうございました。」
「……まあ、それが君みたいだから、いいのだけれど」
言いながら少し笑って、神坂レイは袋から何かを取り出す。
それをこちらに差し出してきた。
「……え、これ……」
「所詮、私ができることなんて、これくらいしかないから」
所詮、だと。これくらい、だと。
そんな表現俺が許さない。
「……まだまだ、完全ではないのだけれど」
「…………しい」
「え?」
「すっっげぇうれしいッ!!」


