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左の肩が燃えるように熱い。
すっかり目が慣れた暗闇に地面が映る。
頬に当たる感触はざらざらとして優しくはない。
異常なまでに汗が噴き出る。
痛い。
「――……しくんッ!」
聞き慣れた声がする。
遠くの方で叫ぶ声だ。
「……はしくんッ!」
頭が朦朧とする。
答えなきゃならない声に、答えることができない。
「高橋くんッ!!」
神坂レイの声だ。
遠くの方で俺を呼ぶ、彼女の声。
起き上がらなければ。
答えなければ。
そう思うのに体が動かない。
殴られた気がする。
ナイフで切られた気もする。
あぁ、そういえば、左肩に銃弾が貫通した、んだっけ。


