隣の彼女が厨二病だったんだけど。





キリッと言い切ると、神坂レイは戸惑いながらも「そ、そう…」と納得(と言っていいのかはわからないが)してくれた。


さて、坂本が頑張ってくれてる間にどう逃げようか考えておこう。

このアパートに裏道というものはないので、どちらにしろ正面突破しなければならない。

神坂レイを抱えて正面から逃げ出し、散ったSP(悪)たちに見つからないように逃げなければダメなわけで。

見つからないように逃げることなんてできるんだろうか。

見つかったら見つかったでその時考えることにしよう。(※無謀)


しばらく2人して黙っていると、アパートの外から声が聞こえてきた。

なんと言っているのかはわからないが、その中のひとつは確実に坂本のものだった。


「……マジですぐ来てくれた坂本マジ天使……!!でも嫌な天使だな……!!」

「坂本くん大丈夫だといいけれど……」

「ヤツなら大丈夫だ。なんせ坂本だからな!」

「それは理由になっていないと思う」


神坂レイから初めてノリツッコミいただきました。

しかし坂本は一体どうやってSP(悪)たちを散らしてくれるのか。

何かを話しているようだが……。

一体何を話しているのか聞こうと思って、耳をドアに寄せた、直後。


「え!?なに!?黒スーツ着た男性陣がたくさん居るんだけど!!なに!?ここはスーツ喫茶か何かなの!?楽園なの!?」


果てしなく空気読めてない甲高い声が響いてきて俺は思わず玄関でひっくり返った。

な…な……なんで渡辺先輩が居るんだろう……!!

っていうかなんで渡辺先輩の声はこんなによく聞こえるんだろう……!!