「……204号室の住民だ」

「問3、君の名前は」

「……た、高橋、翔平」

「問4、君の持っているその袋はなんだ」

「……ただの、ゴミ袋」

「問5、何故持っている」

「……ゴ、ゴミ出しに行くため」

「問6、他に所持しているものはあるか」

「……ない」

「――了解」


スッと、背中に刺さっていた何かが離れた。

もう動いていいんだろうか振り向いて誰なのか確認してもいいんだろうかもしかしてこのまま刺されて死ぬとかそういう死亡フラグなんだろうかどうなんだろうか。

いまだに嫌な汗が引かない俺の後ろから、さきほどの声が言う。


「……そう、君が私の隣人なの」

「…………。え?」


思わず振り向く。

振り向いた直後にまた刺された。

ような衝撃を受けた。


何故なら、目の前に居たのは、この世のものとは思えないくらいの美少女だったからである。


漆黒の黒髪は朝日に照らされ輝いて見える。

その黒に映える真っ白な肌に黒目がちの凛とした瞳。

身長は155程度、華奢な体型だがスタイルは抜群だ。

文句など誰一人として言えないだろう、もはや芸術的なまでの美少女だった。

しかし、何故か片目に眼帯をつけている。至って普通の眼帯だが。