「ねえねえキミ、神坂レイちゃんと付き合ってるってホント?」


ベランダから華麗に登場するや否や、唐突にそう尋ねてきたのは数日振りの渡辺先輩だった。

相変わらず可愛い童顔でいらっしゃる。(※失礼)


ってそうじゃねぇよ!!


「は!?なん!?なんでそうなるんです!?」

「え、だって親しげに話してるの少年くらいしか居ないよ?噂は校内中に広まってまーっす!」

「わけがわからない!!」

「ありゃ、じゃあ付き合ってないの?違うの?」

「いや当然っすよ!?えもしかして信じてたんすか!?」

「この馬鹿とあの頭脳明晰容姿端麗の神坂レイが釣りあうとでもお思いですか先輩。」

「んーそれもそうだねえ……じゃあ噂はやっぱり嘘だったんだね!」

「ちょ、なんで坂本の意見で納得するんですかさり気にヒドイ言葉の羅列だったんですけども」

「諦めろ高橋。事実だ。」

「鬱だ死のう……」

「ところで少年、キミ、あれ渡してくれた?」


机にめり込む勢いで落ち込んでいた俺のつむじをツンツンつつきながら、渡辺先輩は何を気にする風でもなく聞いてくる。

ヒドイ言葉の羅列にフォローもないということはやはり事実と言うことか。

っていうか先輩、そこハゲツボっす。全力で禿げます。むしろ禿げ散らかします。

将来俺がハゲだしたら元凶である渡辺先輩にスカ○プDを請求しようと思う。


「あー…はい渡しましたよ」

「神坂レイちゃんの反応は!?」

「……無反応?」

「むはんのう!?」