隣の彼女が厨二病だったんだけど。





この間の美術部の話もまだしていないみたいだし、もしかしたら唯一の欠点は“絵が描けない”ことかもしれなかった。

それだけが欠点だったとしたら、別に気にすることないじゃないか…。

俺とか欠点の塊りなんだぜ……まず字が汚いだろ…勉強できないだろ…運動もそこそこだろ…絵とか描けたもんじゃないだろ……かと言ってイケメンじゃないだろ…あとバカだろ……。

……あれ、視界がセルフエコノミーに。(※涙で霞んで前が見えない)


「……坂本、頼む答えてくれ…俺のいいところってなんだと思う…」

「…………。寝たら忘れる底抜けの馬鹿。」

「お前に聞いた俺がバカだった!!」

「だから馬鹿だと言ってるだろう。」


持っていたバスケットボールを割と本気でぶん投げたら余裕で避けられた上にガチでぶん投げ返されて顔面に直撃した俺マジざまあ。




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ボールがぶち当たったデコと鼻に保健室で借りてきた氷を当てながら昼飯を食すうららかな春の午後。

死にたい。



「……随分と賑やかそうだったけれど」


隣の席から突如神坂レイの声が…!


「ボールが顔面に直撃した影響で幻聴まで聞こえるようになったのか俺は……!!」

「床にこぼしているご飯やおかずも幻覚だといいのだけれど。」

「なん…だと……!?」


慌てて机の下を覗き込むと、言われた通りご飯とおかずがあちらこちらに散らばっていた。

氷を当てているせいで食べにくいことこの上ないせいだ。