隣の彼女が厨二病だったんだけど。





いや、それだけならまだ勇気あるどっかの勇者が話しかけに来るかもしれない。

なんせ神坂レイは類稀なる美貌の持ち主だ。

とかいうとなんか違う気がするからいつものように言う。超絶美少女なのだ。

どこぞのナルシストかなんかがふらふら寄ってきてもおかしくはない。

「勉強ができてもやっぱり女の子なんだからさあ、オレ(様)が守ってやるよ!(キリッ)」みたいなイケメン(自称)が出てきてもおかしくはない。

マジで出てきたら俺が言ってやりたい。

「えるしってるか。神坂レイは、初対面の俺に、筆一本で立ち向かってくるほどの強さだ。しかも殺気だけで三途の川見せる程度には怖い。(哀愁)」と言ってやりたい。


しかし神坂レイは、俺がそんなことを言わなくても、自分の強さというか身体能力の高さをみんなに見せつけてしまうわけなのだ。



――バシンッ!

向こうの方で、ボールが床に叩きつけられる音が響いた。

バスケットボールをくるくる(床の上で)回していた俺は、その音に顔を上げる。

ネットを張った向こう側に、神坂レイが綺麗な黒髪をなびかせているのが見て取れた。

女子がバレーの試合モドキをしているようだが、神坂レイの居るチームの点数が相手チームより遥かに上回っている。

体育の時間は、もはや彼女の舞台みたいなものだった。


「……完璧だな。」


隣に座っていた坂本も神坂レイを見ていたようで、ぼそりとつぶやく。


「美少女だしな。体操服姿も眩しいです!」

「黙れ変態が。お前は早く二次元の嫁のところに行ってやればいいだろうにギャルゲエロゲ廃人が。」

「二次元に嫁は居ねぇしギャルゲもエロゲもやってねーよ!!っつーかあれ普通に18禁とかだから俺買えねーから!!」

「ほう。では18歳になったら買う予定なんだな。」

「いや待て!待て坂本!俺をヲタイメージで固定しようとかすんな!!あっさり固定されそうだからやめてあげて!!」