隣の彼女が厨二病だったんだけど。





キョドりながら振り向くと、私服姿の神坂レイが怪訝そうな表情でこちらを見上げていた。

もう一度言う。


私服である。


神坂レイの私服姿は初対面の時にも見た記憶はあるが、あの時は死ぬ思いをしたのであまり見てなかった。

だがしかし今日はしっかり見れる!

神坂レイの私服姿……!

白いブラウス(?)にネクタイ、フードのついた薄いカーディガンを羽織っている。黒いズボン(たぶんスキニーとかいうヤツだ)も彼女の足の細さを強調していてなんていうかとてもいいと思います。


……じゃなくてだな!?


「なんで後ろに居るんすか神坂サン!?」

「先に質問をしたのは私、だから先に答えるのは君。」

「はいすみません……」

「仕方がないからもう一度聞く。君はここで何をしている?長時間居るようだけれど」

「えーっと……神坂さんの部屋を訪ねようと思いまして…ノックしようとしたんすけど…いまだにできてないっていう……」

「君はノックのしかたがわからないの?」

「それくらいわかるわ!!」

「じゃあどうしてノックができないの?」

「聞くんだ!?あえてそれ聞いちゃうんだ!?」

「……まあいいけれど。別にもう私は君を襲わないし、敵視しているわけではないから、用件があるならノックくらいすればいい」

「……が、がんばりまーす…」


また筆で(今度はナイフかもしれないとか)襲ってくるとか敵視されてるとかそういうのが理由でノックできなかったんじゃなくて単に“神坂レイの部屋”と言うだけで緊張するのはいろいろと前科があるので仕方がないことかと思われ。