隣の彼女が厨二病だったんだけど。






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気持ち的に1年振りくらいな気がする。

このドアの前に立つのは。

いつもこのドアの前を通ってはいたが、ノックをしようとは思ったことがなかった。


『神坂』


そう書かれた表札はまだまだ綺麗だ。

もちろん今年こっちに引っ越してきた俺の表札も綺麗ではあるがしかし、神坂レイの表札と輝きが違う気がする。苗字的な意味で。


そんな無駄なことを考えながらドアの前に立つこと数十分。

もう一度言う。


数十分である。


いまだにノックができてない俺は一体ここで何をしているのかと。

ヘタレすぎにもほどがあるだろ俺!

自分の部屋のドアと何が違うんだ同じだろ!ボロくさい木造りのドアだろ!

叩け!叩くんだ高橋翔平!

ただ渡辺先輩から預かった紙を渡すだけだ!渡すだけなんだぞ!

いやでもちょっと話もしたい!ネタとかないけど!

「3日間何してた?」とか聞いてみようkいやダメだ!そこまで親しくない!

じゃあなんだ!ゲームにでも誘ってみようkいやダメだ!神坂レイがゲーム持ってる気がしない!

どうする!?どうするよ俺!?


「君はそこで何をしている?」


ビックゥッ!!


なんの前振りもなく背後から声をかけられた俺は生まれて初めて5メートルくらい飛んだ。(という夢を見たんだ)