「……これ、渡せばいいんです?」
「うん!って、もしかして少年、キミ家を知ってるの!?」
「知ってるも何も、コイツ隣人らしいですよ。」
「マジですかーッ!!そっかーそっかよかったー!じゃあ渡しておいてくれるかな!」
……ちょっと待てよ。
これは、これは神坂レイを訪ねる絶好のチャンスなんじゃないだろうか…!?
うぉおおナイス!!先輩マジナイス!!先輩マジパネェっす!!
そうかアナタが神だったのか!!
「喜んで承りますッ!!」
「よかったー!ありがとう少年よーッ!!」
と言いながらガバァッ!と抱き着いてきた渡辺氏。
ちょ!!なに!!え!?これなんてギャルゲ!!!?
支離滅裂になる思考回路のままむぐもともがくしかない俺である。
これは一体どういう状況なのかと!!
ラノベかギャルゲまたはエロゲかそういうヤツの主人公くらいしか出くわさない状況だぞ!!
マジでリアルに三次元始まってんのかそうかそういうことなのか!?
とかなんとか脳内暴走してたら思考回路ショートしてきた。
「…………。うむ~、キミキミ、止めたりしないの?しないの?」
「何故ここで突然俺に質問が飛んできたのだろうかと気になるところですが、何がですか?」
「んーそっかーキミキチクゼメだね?」
「は?」
「なんでもないでーす!ごめんね少年ついついハグ癖がね!……ありゃ?」
「高橋は女性に免疫がないので一歩間違うと心臓停止で死ぬそうです。」
「あちゃーそっかーご愁傷様だね~」
ツッコミどころ満載だけどなんかもうどうでもいい。


