「……聞いてない。聞いてないぞ坂本……!」

「なんの話だ高橋。」

「神坂レイが停学処分とか聞いてないぞ坂本!!」

「何故そこで俺に当たらなければならないんだ。」

「だってお前!確実に!知ってただろ!情報収集早いから!」

「お前はすでに知っているだろうと思っていたからな。なんせあの神坂レイの話だ、そう思うのも仕方ないだろう。」

「じゃあ聞けよ!神坂レイの話知ってるかって聞けよ!頼むから!!」

「言っておくが、神坂レイの隣人であるお前が何故他の人間より情報を知るのが遅いのか、それは高橋、お前が極度のウマシカだからだ。つまり俺が高橋に情報を知っているか聞く聞かない、それ以前の問題になるわけだが。」

「…………。」

「何か反論はあるか?」

「ございませんすみません。」


机に額をつけて謝罪した俺は、そのまま机にめり込む勢いで落ち込む。

高校生活始まって3日目。

俺と坂本はまた同じクラスで、しかも席まで前後と言う果てしない腐れ縁っぷりを発揮している。

そろそろ坂本が同じクラスに居る状況に飽きてくるのも無理はない話しだ。

そしてもうひとつ。

神坂レイも同じクラスなのだ。

しかも席は俺の隣である。

3度目の正直と言うように神坂レイから「関わるな」宣言されそうだがしかしここまで隣だと関わるなとか絶対無理だ。

むしろ俺は神坂レイと仲良くなるチャンスだと思っている。

このままフラグ立てたい勢いで過ごしていたのだが。

その神坂レイがまったく学校に姿を現さないわけだ。

これじゃ隣の席の意味がないじゃないか!

というわけで担任に聞きに行ったところ→神坂レイが停学処分を喰らっていたことを知る→教室に転がり込む→坂本に喧嘩売る→秒殺。→落ち込む←イマココ!