隣の彼女が厨二病だったんだけど。





華奢な後ろ姿でセーラーが風に舞う。


「君が同じ学校だなんて、不覚だった」


ざっと、砂を踏みしめこちらを振り向く。

神坂レイの表情は、昨日見た時と変わりなかった。

凛と、冷たい。


「……高橋翔平くん」


俺の名前をフルネームで呼ぶその声も同じだった。

だがしかし、今の俺になんていうかそういう冷たい感じとか関係なかった。

何故なら。


「……名前を…覚えてくれてたのか……!」

「…………。」

「謎の感動とはこれのことだろ異論は認めない!」

「…………。」

「…………。あれ、神坂さん目が全力で呆れた感満載なんですけど」

「君はおそらく馬鹿という部類に入るのかしら」


神坂レイにまでウマシカのレッテルを貼られた俺ざまあ!


「一応言っておくけれど、君の名前を覚えていたのは、単に君の名前が覚えやすかったからという理由で……」

「父さん母さんありがとう!高橋翔平にしてくれてありがとう!」

「…………。」


いい加減神坂レイの視線が痛いので黙ることにした。

っていうかさっきからうざいことを理由によく女子から睨まれている気がするのだが気のせいだろうか。